かつて田畑は自然界が繰り広げる壮大なオペラの様相を呈していました。田ではカエルが大合唱、畑ではコオロギがコロコロと鳴き交わし、蝶の輪舞が色を添える。さまざまな生物が太陽や雨・土への感謝を高らかに歌いあげ、生きるよろこびを満身で表わしていたのです。タニシ、トンボ、ミミズ、モグラ……微生物や昆虫、小動物、畦(あぜ)の野草と、聴衆もまた多様でした。
ところが化学肥料や農薬の普及に反比例するように、そうした生物は激減してしまいました。ちいさな生物でさえ生きることを許されぬ環境で育った作物が、どうして安全だといえるでしょうか。
秀明自然農法を実践することは、多様な生命を育む自然環境を再構築することでもあります。清らかな水、肥毒の抜けた土、清浄な作物は、多くの生物を呼び戻します。それらの生物は土を活性化させて自然力を高め、やがて作物にも好影響を及ぼします。
人間もまた多くの生物とともに自然のオペラの歌い手となり、聴衆となる。SNNはそんな日が来ることをめざしています。