秀明自然農法では、土壌中に残存する農薬や肥料の影響のみならず種に残存する農薬や肥料の影響も重大であると考えています。ゆえに秀明自然農法では、自家採種の種を使用します。また、秀明自然農法では、種はその土地・気候・風土で採れた種が、その土地で生育するのに最適であると考えてい
ます。
ですから、肥料や農薬を使ったり、肥毒の残る土地で育った作物の場合、種子にも肥毒が伝わってしまいます。それを清浄な土に播いても十分に育ちません。肥料を吸収して育つような種子になっているのです。
秀明自然農法を繰り返すことは、土を清浄化するとともに、種子や作物から肥毒を抜くことでもあります。肥毒の抜けた種子を同じ土地に播けば、作物は気候にも土にも無理なくなじんでしっかりと根をはり、葉を伸ばして、生長する力を遺憾なく発揮します。土の記憶が種子に宿っているからです。自家採種を重ねることで、その土地の気候風土に順応した優良品種に育ちます。
収穫で終わらせず種を採るところまでお世話をすることは、作物の一生を見守ることでもあり、生命の尊厳と触れ合う作業なのです。