私たちの活動の根本にあるのは、自然を尊重し、自然の力に順応して暮らすという理念です。自然とは、太陽の光であり、雨や川などがもたらす水であり、しっかりと植物が根をはれる大地の土──いずれも作物を育くむのに欠かすことはできません。
「自(おの)ずから然(しか)り」というとおり、かつて地球には自然が満ちあふれ、私たちの祖先ははかりしれない恩恵に浴してきました。ところが現代はどうでしょう。人類が排出したさまざまな汚染はオゾン層を破壊し、酸性雨をもたらし、山河や海を汚してしまいました。
農地もまた肥料や農薬によって本来持っている資質がゆがめられてしまいました。私たちが提案する農法は、土を自然本来のあるべき姿に戻し、清浄な種から清浄な作物が生育するよう促すものです。それは大自然の恩恵に感謝し、作物に愛情を注ぐ清らかな心を持つ事によって出来るのです。
清らかで美しいものを芸術と呼ぶならば、私たちがめざしているのはまさに「農業の芸術」に他ならないのです。