秀明自然農法の『イロイロ』を、様々な角度でご紹介します!

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「自然」という言葉
私が「自然」という言葉を知ったのは何時だったのか、それはもう覚えていません。きっと物心つく頃には、「自然」という字は書けずとも、言葉そのものは知っていたと思います。ですがこの「自然という言葉の意味」を知ったのは、もう二十二、三歳にもなった、大阪シニア自然大学でのカリキュラムの中でのことだったと思います。
 「自然とは、ネイチャー(自然物)ではなく、ナチュラルです。」ここまでならごく普通のことですが、そこで教えて頂いたことは
「自然」とは、「自ずから然らしむる」(おのずからしからしむる)という意味です。
 そんな言葉始めて聞いたよ、なんだそれ?と僅かに思った気がします。

 当時の私の様に、自ずから然らしむるって何?と思われた方のために念のため、例をあげれば、
 植物が発芽し、育ち・花を咲かせて種子を結ぶ。水が溜まる場所には、水性の植物が生え、水の溜まらない場所には陸生の植物が生える。更にその陸生の植生は年数が経ち、命が繰り返される中で、最終的には森となる。こういった事柄全てが、自ずから然らしむる、です。
 
私はそれからずっと、この言葉を思い出さずにいた気がします。
では何故それを思い出したのか?それは結構最近のこと、自然農法とは何か?を深く考え・取り組み、自分なりの答えを見出そうと努めている最中、圃場の植生が自ずから変化し、その流れの中で、野菜が育つ環境に然らしんだ姿を見たときのことです。
荒地のような場所に、スギナやヨモギが生え、それが生えて枯れてを繰り返すうちに、植物の種類は自然と変化する。そのうちスズメノエンドウやカラスノエンドウといった草が生え、その後に生えてくるオオイヌノフグリやホトケノザがスムーズに育つようになった頃には、野菜がスムーズに育つようになる事実を見たときのこと。
そしてこの植生の変化は、自然でありながら、ものすごく明確なパターンを持っていました。

この、自ずから然らしむる姿から学び、それを尊び農を行う、この活動そのものが自分に見えた自然農法だったのです。
自然という言葉は決して「無肥料・無農薬を示した言葉ではなく、自ずから然らしむるを示した言葉」

ちなみに、この自然という字を「しぜん」と読むようになったのは、英語のネイチャーに対して、どの日本語を当てはめようかと検討した結果で、それまではこの自然という字は「じねん」と読み、自然法爾(じねんほうに)や、親鸞は阿弥陀如来の誓願を自然(じねん)と呼ばれた等、とても奥深い言葉であることが感じられます。